当事務所の活用方法

1 公認会計士と税理士の違い

公認会計士

公認会計士は、監査業務、財務コンサルティング業務、内部統制の構築支援、M&A支援、事業支援など、幅広くサービスを提供する会計及び監査の専門家です。このうち、監査業務は公認会計士の独占業務です。

この他にも、特別の試験を受けずに税理士登録も可能ですので、税理士の独占業務も行うことができます。「公認会計士・税理士」という肩書きの人は、大半が税理士試験を受けずに税理士登録をした公認会計士です。

公認会計士試験に合格すると、一般的には、監査法人に就職することになります。監査法人では、公認会計士の独占業務である監査業務を担当することになります。監査業務には、主に、上場会社を対象とした金融商品取引法監査、非上場会社も含む一定の規模以上の会社を対象とした会社法監査があります。

このため、公認会計士は、上場会社や非上場会社でも大きな会社がクライアント先になることが多いです。

税理士

税理士は、独占業務である税務代理(確定申告書の代行や税務調査の立会い)、税務書類の作成(確定申告書の作成)、税務相談(法人や個人の税務相談にのる)、記帳代行などのサービスを提供する税金の専門家です。

公認会計士は、税理士試験を受けずに税理士登録ができますが、その逆はできません。つまり、税理士が公認会計士登録しようとすると、公認会計士試験に合格し、約3年間の実務補習及び3年以上の実務経験が必要になります。

税理士試験に合格すると、一般的には、税理士事務所に就職することになります。税理士事務所は、大小様々ですので、大きな税理士事務所に就職すれば、上場会社等の大きな会社がクライアント先になり、小さな税理士事務所に就職すれば、個人事業主や中小企業がクライアント先になることが多いです。

公認会計士と税理士の違い

公認会計士と税理士は、もちろん業務内容の違いはありますが、それぞれが重視する視点にも大きな違いがあります。

公認会計士の監査は、膨大なすべての取引をチェックすることはできないですので、内部統制がしっかり構築されていることを確認して決算数値の正確性を検証します。決算数値が出来上がるまでの広く会社の業務プロセス全般を理解することに重きが置かれます。

税理士の場合は、会社の業務プロセスのうち、税金が正しく計算されているか、いくら節税ができるかといった税金のプロセスの理解に重きが置かれます。

公認会計士の方が広く会社全般のビジネスを理解することになります。公認会計士と税理士の違いをまとめると下のようになります。

  公認会計士 税理士
独占業務 監査業務(会計数値が正しいというお墨付きを与える)   税務業務(税務代理、税務書類の作成、税務相談)
得意とする業務内容(独占業務以外) ・経営コンサルティング
・財務コンサルティング
・内部統制の構築支援
・M&A支援
・記帳代行などの経理業務のサポート
・経営コンサルティング
・財務コンサルティング
重視する視点 広く会社の業務プロセス全般 会社の業務プロセスのうち、税金の業務プロセス
主な就職先 ・監査法人
・コンサルティングファーム
・一般事業会社
・独立開業
・税理士事務所
・一般事業会社
・独立開業
担当するクライアント規模 上場会社等の大きな会社がメインになる。ただし、独立開業すれば、中小企業がメインになる。 中小企業がメインになる。

2 公認会計士と税理士の活用方法

公認会計士

独立開業した公認会計士の多くは、中小企業をクライアント先にしています。独立開業した公認会計士が個人事務所で上場会社を相手にすることは規模的に困難だからです。

そこで、中小企業の皆様が公認会計士を活用する場合の活用方法を記載します。

管理会計の仕組みづくりのサポート

公認会計士は、監査業務を通じて、管理会計や原価計算を理解することになります。また、部門別の損益計算も理解することになりますので、管理会計の仕組みづくりを依頼したい場合には、公認会計士の活用がおすすめです。

事業計画書策定支援

公認会計士は、監査業務を通じて、事業計画書の実現可能性や合理性を確認することになります。実現可能性が高い事業計画書や合理性のある事業計画書を作成するポイントが分かっていますので、事業計画書策定支援を依頼したい場合、公認会計士の活用がおすすめです。

より経営の視点に立ったコンサルティング

公認会計士は、監査業務を通じて、販売、購入プロセスの仕組みや原価計算の仕組みなど会社の様々な業務プロセスの仕組みを理解することになります。これにより、会社のビジネスの内容を理解できるようになり、より経営の視点に立ったコンサルティングを行うことができます。

内部統制の構築支援

公認会計士は、監査業務を通じて、多くの上場会社の内部統制を確認しますので、貴社に合った内部統制の構築支援ができます。

税理士

税理士も独立開業した場合、中小企業をクライアント先にしています。税理士の活用方法は、下のようなことが挙げられます。

税金に特化したコンサルティング

税金を正しく計算したい、いくら節税ができるか知りたいという場合には、税理士か税理士登録している公認会計士に依頼することになります。これらは、税理士の独占業務ですので、税理士登録していない公認会計士では、業務を行えませんので、依頼するときはご注意ください。

税務調査の対応

税務調査の対応は、税理士の独占業務ですが、税理士試験に合格した税理士よりも、国税庁OBの税理士に依頼する方が、顔が効くケースもありますのでおすすめです。

まとめ

  公認会計士 税理士
活用方法

・管理会計の仕組みづくりのサポート
・事業計画書策定支援より経営の視点に立ったコンサルティング
・内部統制の構築支援

・税金に特化したコンサルティング
・税務調査の対応

損益改善は公認会計士、節税等の税金関係は税理士を活用することがおすすめです。たとえ既存の税理士と顧問契約があっても、管理会計の仕組みを導入して損益改善を図りたいのであれば、別途、公認会計士と顧問契約を結ぶメリットはあります。

3 当事務所の活用方法

当事務所は、原価改善や資金調達をメインとした中小企業の事業支援に特化した事務所です。監査法人時代には、製造業をはじめ多くの業種の業務プロセスを見てきました。

また、製造業の事業会社でも原価計算の実務経験があります。これらの経験を活かして、中小企業の皆様に高品質な事業支援を提供していきたいと考えています。

特に、原価改善のための仕組みづくりやいつでも資金調達ができる体制づくりは、不確実性の高い今の時代を生き抜いていくためには、必要なことです。当事務所では、これらの仕組みづくりや体制づくりのサポートをすることで貴社の事業を支援していきますので、ぜひご活用ください。

また、原価改善の仕組みづくりや資金調達が可能な体制づくりは作ってしまえばそれで終わりというわけではなく、継続的な改善やモニタリングが必要になります。高品質なサービスを提供するためには、顧問契約を締結することが双方にとって良いと考えています。

なお、代表者である私は、税理士登録を行わない予定ですので、税務代行等の税理士の独占業務は行えませんが、これには理由があります。

税務業務を提供する場合、税金の知識のキャッチアップに相応の時間とコストがかかりますので、中小企業の事業支援の品質低下を招く可能性があります。中小企業の皆様に、より品質の高い事業支援をしていきますので、税務業務のサービスは提供していませんが、貴社の顧問税理士とは、リレーションをとってサポートしていきます。

お困りごとや不安なことがありましたら、お気軽にお問合せください。

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